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省エネ性能 断熱・UA値
COLUMN
2024/05/04

前項までは家の耐久性の話でしたが、

ここからは省エネ性について書きたいと思います。

省エネ性能が高いということはいかに少ないエネルギーで

快適な暮らしができるかということです。

エコという言葉がありますが、これには

エコロジーとエコノミーという言葉の二通りの意味があります。

エコロジーは自然環境、エコノミーは経済や節約という意味があります。

省エネ住宅は環境にやさしく、経済的にもやさしいということです。

最近では、ほとんどの会社が高気密・高断熱を謳っていますが、

本当にどこで建ててもエコな暮らしは叶うのでしょうか。

私はこの業界に入って15年目になりますが、

残念ながらほとんどのお家が本当の意味での省エネ住宅を

作れていないように思います。

そもそも、なにをもって高気密・高断熱を謳うのか。

なにと比べて省エネ住宅なのかを書いていきたいと思います。

日本の住宅レベルは先進国の中でとても低いです。

お隣の韓国よりもレベルが低いのです。

省エネ住宅=暖かい家ではないということを理解する必要があります。

断熱基準

日本の断熱性能の基準ですが、最近やっと等級が増えました。

これまでは断熱等級4という数字が一番上の性能だったので、

UA値0.87よりも数値が低ければ高性能と言えました。

残念ながら、最新の家でもこの数値を基準として考えている会社が多いです。

正直、UA値0.87の家は全然暖かくありません。

加えて、気密性についても数値の基準がありません。

逆に言うと、誰でも高気密・高断熱を謳えるのです。

だからこそ、寒い家がはびこるのです。

既存住宅の断熱性能の割合

2018年時点でこの性能の低い等級4以上の家が全体の11%しかありません。

最近ではZEH水準を超える性能などなど見ることが多いですが、

どのレベルだったら暖かいのか・・・

暖かいとはどういう尺度なのか。

わかりやすく書きます。

これはあくまで、私自身の独断と偏見で書きます。

UA値0.87レベル(次世代省エネルギー基準・等級4)
暖めても熱が逃げやすい。締め切ったリビングをエアコンやストーブで
なんとか暖かくなるレベル、トイレや洗面所、浴室などを温めるのは難しい。
各部屋にエアコンがマスト

UA値0.60レベル(ZEH水準・等級5)
暖かさが少し持続する。
大型エアコンであればリビング及び各部屋をある程度暖められる
ただし、各階にエアコンは必要。各部屋にもエアコンがあった方が良い

UA値0.46レベル(等級6・G2)
エアコン1台で家中を暖められる可能性がある。
個人的にはここまでは最低でも求めたいレベル
暖かい家と言えるぐらいのレベル

UA値0.35~0.4レベル(等級6.5・G2.5 安藤建築事務所標準レベル)
小型エアコン1台弱運転で家中を暖められるレベル
24時間エアコンを稼働しっぱなしの方が電気代が安くなるレベル
安藤建築事務所では付加断熱無しでできるレベルでコスパが良い

UA値0.26レベル(等級7・G3・NorthVillageの断熱性能)
小型エアコン1台で楽々暖められるレベル
暖房を消しても長い時間室温が下がりにくい日本のトップレベルの家
真冬にNorthVillageで朝一薪ストーブを焚くと夕方まで薪を
追加しなくても暖かいほど熱が逃げにくい

とこのように書きましたが、
これはあくまで断熱が数値通りで、なおかつ
気密と換気による熱損失が無いことが前提です。

気密の記事にもあらためて書きますが、

断熱性能だけ良くても全く暖かくありません。

断熱と気密、そして換気の三拍子そろって初めて暖かい家になります。

そして、等級4レベルで家を建てている会社ではほぼ100%

気密工事をしていないと思った方が良いです。

なぜかというと、UA値は机の上で計算で出ますが、

気密は現場のレベルがすべてです。

そして、現場にこだわる方はUA値の重要性を知っています。

先進国でも最低レベルの等級4レベルでは話にならないことをしっています。

おかしな話ですが、気密にこだわる会社はUA値にこだわるけど、

UA値にこだわる会社で気密にこだわっている会社は圧倒的に少ないのです。

先ほど書いたようにUA値は誰でも数値を上げることが可能なのです。

もっというと、お金で簡単に解決するもので、どの会社でも簡単に

等級7が達成できるのです。

断熱の厚みを厚くするだけですので、簡単ですね。

でも、その通りに施工することが最も難しく、できていないのが今の日本です。

UA値通りの性能を本当に発揮している会社は残念ながら1割も無いと思います。

だから、家が建ったあとに思っていたよりも寒いと思うのです。

いまのところ日本では断熱性能の基準はあっても気密の基準はありません。

日本のトップの方もきっとその重要性は重々理解していると思います。

ですが、実際のところは気密の基準がありません。

そこには住宅業界の闇があります。

UA値とC値による冷暖房費

これは別のサイトからとってきたものなので、正確かどうかはわかりませんが、

見ての通り、C値の差による電気代の差はとても大きいです。

等級7のお家と等級4のお家で、断熱材の差額は

材料費だけでなんと3倍もするのです。そして、付加断熱がマストなので

施工費も含めると恐ろしいくらいの差額になります。

ですが、等級4のC値0.3の家と等級7でC値2のお家では

なんと等級4でC値0.3の方が電気代が安く抑えられるのです。

気密施工はもちろん気密部材には費用はかかりますが、

UA値を上げることに比べると圧倒的に費用がかかりません。

そんな事実を無視して、国は気密には目をつむっています。

気密を基準化すると困る方々がいるのですね。

いったい誰目線で家づくりをしているのでしょうか。

同じUA値でもC値が2と0.3で月々1万円も電気代が変わるのです。

そして、もっと恐れるべきはC値2も達成していない会社が

ごまんとあることです。ということは

UA値を強く押している会社でも、気密がしっかりしていなければ

電気代は1万円以上変わるということです。

しっかりと見極める必要があるということです。

もう一つUA値の落とし穴があります。

施工不良です。

今回はわかりやすくグラスウールの施工不良をご紹介します。

グラスウール施工不良
グラスウール施工不良 断熱欠損
一見大丈夫そうですが、これも施工不良です

断熱材は隙間なく、シワなく、柱の厚みぴったりに施工する必要があります。

上の2枚はすぐに施工不良がわかると思いますが、

3枚目の写真はどこが悪いかわかりますか?

よく見ると手前から2列目の上部に数センチ隙間が見えます。

袋入りのグラスウールではこれが限界です。

この施工をするだけで断熱性能は何十%も低下します。

これは吹付でもパネルでも同じです。

かたい断熱材はシワなどは起こりませんが、
その分隙間ができやすくなりますので、

どんな断熱材だろうが隙間なく、シワなく、ぴったりとが重要です。

コチラの写真は別のサイトの記事からとってきたものなので、

そのサイトも貼っておきます。

間違いだらけの断熱材施工 グラスウール編

床断熱

安藤建築事務所では床断熱もグラスウールを使用しています。

パネル系だと、どうしてもクリアランスがあるため、断熱欠損になるので、

グラスウールを使用しています。

壁断熱 筋交いまわり

筋交いまわりも押し込んで入れるのではなく、

筋交いの形にカットして、きれいに充填します。

壁断熱

このように断熱材は完璧に施工されなければなりません。

袋無しにすることで、隅から隅まで隙間なく施工します。

そして、この上に前項でもあった気密シートを施工します。

安藤建築事務所で使用しているグラスウールは

性能を向上するという理由もありますが、

完璧に施工するために、高性能グラスウール36Kを使用しています。

このグラスウールはシワができにくく、自立して立つぐらいコシがあります。

16Kだとどうしても、自重で下がってくる可能性と、シワができやすいことから

使用していません。

これがUA値通りの性能を出すために、必ず必要な作業なのです。

みなさんは、自分が建てる家は当たり前に数値通りのUA値だと信じて

疑わないはずです。

でも、実際はほとんどの家がそうではないことを理解する必要があります。

頭の良い人がどれだけ計算で性能の高い家を作ろうと

現場でその性能を出すのは職人さんです。

棟数が多い会社であればあるほど一定の性能を保つのが難しいのです。

安藤建築事務所で、専任の断熱気密職人がいるのもそのためです。

家の性能を担保するのはそれほど難しく、かつ大切なのです。

これでUA値と断熱の施工についての説明を終わりますが、

次回は気密についてもっともっと深堀したいと思います。

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